マニュアル屋の随想

補助金を出す国の意図に適うストーリー

ものづくり補助金は何を補助するのか。

恐縮です。
 
 
工場の設備投資を後押しする「ものづくり補助金」は中小中堅企業様にとって大きなアドバンテージを運んできてくれる存在だと思います。
 
 
そこで、このブログの場では、長年に渡り蓄積した私の頭の中にある岐阜尾張における「ものづくり補助金」の考え方を備忘しようと思います。
 
 
私自身の備忘ながら、何かしら、あなたのお役に立てることがあれば、私も嬉しく思うのでございます。
 
 
さて、
 
 
国が「ものづくり補助金」を交付する目的は「足腰の強い経済を構築する」ためです。
 
 
そのために、地方創生という旗印の下、税収増に寄与する企業を増やすことを目的にしています。
 
 
税収増が目的ですので、採択される企業には下記の前提があるかと思います。
 
 
(1)機械装置以外の点に、他社と比べて何かしら大きな違いがある。
(2)その違いは、お客様のために大きな価値がある。
(3)その違いに気付いた競合が、簡単にマネできない。
 
 
この(1)~(3)は、一般的に「強み」と呼ばれます。
 
 
「強み」があるからこそ、独自的な価値を創出して、売上増加→収益性増加という税収増に寄与するという流れになります。
 
 
売上増加→収益性増加という流れが補助金を出す側にとっては、とても重要です。
 
 
また、ものづくり補助金では3~5年で「付加価値額」年率3%及び「経常利益」年率1%の増加が求められていたりします。
 
 
この「付加価値額」とは、営業利益+人件費+減価償却費です。
 
 
これは、
営業利益を上げるために、人件費と減価償却費を引き下げてはいけない。または件費と減価償却費を引き上げながら、営業利益を更に上昇させる。
 
 
そのいずれかが求められることになるということです。
 
 
つまり、生産性を伸ばしたとしても、労働者を切り捨てる選択はしない方がいいということです。
 
 
実際に省人化が促される場合であっても、
「生産活動ではなく、蓄積した技術力を活かして新製品の開発を行う」とか、
「研修時間に充てる」といった表現が必要であるということです。
 
 
つまり、新設備の導入により、高付加価値化を実現、または顧客数・新製品の販売を拡大することができ、売上が増える。
 
 
そして、それを原資として人員増・昇給を進めていけるようになる。
 
 
さらに、営業利益も設備導入前よりも大幅に増加でき、機械を導入する際等に借入を増やしたとしても、利息の支払いを行った後の経常利益も増加する。
 
 
という流れの事業計画が必要になるということです。
 
 
このようなストーリーに乗せて、事業計画書を作成することが、もの補助獲得の第一歩になります。
 
 
【もの補助獲得ストーリーの基軸】
1.前提として当社には「強み」がある。
2.機械の導入により「強み」がさらに強くなる
3.売上が増加し、雇用の拡大・昇給・経常利益が増加する。
 
 
大雑把に言うとこのような流れがベースになります。
 
 
重要なことは、補助金を出している国の意図を汲み取り、それに合致した申請書を作成する、という発想です。
 
 
次回は、この「もの補助獲得ストーリー」の全体像をもう少し詳しく書きましょう。
 
 
最後までお読み頂きありがとうございます。
当ブログは私自身の備忘に過ぎませんが、あなたにとって何かしらお役に立てていれば幸いです。
 
 
では、再びご縁がありますことをお祈り申し上げます。

TIME2019.12.02  補助金の目的,考え方

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