マニュアル屋の随想

大きな違いを生み出す発想の起点

小さな違い×小さな違い=大きな違い、です。
 
 
さて、
 
 
ある中小企業診断士の方のお話でございます。彼には、彼の事業の軸を定めるお手伝いをしてくださる方がいらしゃいます。
 
 
その方と彼とでお話をしておりましたら、あるアイデアが出てきました。そのアイデアは実は彼が少し前に考えていたものの埋没したアイデアとほぼ同じであることを思い出し、彼は前に考えたアイデアに近い旨をを告げました。
 
するとその方、
「なるほど、しかし、似て非なる物かも知れません。」
 
 
その時点で彼はその意味を深く考えなかったそうです。
 
 
後日、そのアイデアと前のアイデアとで違うところを考えました。すると、今回のアイデアは「いかにお客様にとっての価値を高めるか」という文脈から出たものです。
 
 
一方で、前のアイデアは、「いかに彼がお金を得るのか」という考え方から出たものだったそうです。
 
 
彼は、これに気が付いた時、いかにお客様のお役に立ち、成果を上げていただくか、を考えながら構築したアイデアと自身の都合のみで出たアイデアとでは、結果的に、全く成果が異なるだろうと考えたそうです。
 
 

「同じアイデア」でも、起点の発想が異なれば、商品・サービスの内容やお客様への見せ方、価値の感じてもらえ方、そして、実際に成果を出して貰えるのか、これら全てに影響を与えることとなり、アイデアの段階で「似て非なるもの」であったとしても、完成に近づくにつれて、全く異なる姿に分岐していくことも大いにあり得ることでしょう。
 
 
それに気が付いた彼は、いかに出発点となる発想の原点で目的の設定をお客様視点にすることの大切さに気が付いたのだそうです。
 
 
発想の原点をお金儲けにすることもできますし、お客様への価値提供にすることもできるでしょう。
  
 
その結果、同様のアイデアが出たとしても、形になっていくにつれて全く異なるものになっていくのだと考えたそうです。
  
 
彼が、お金儲けを起点としてではなく、お客様にどのような価値を提供できるかを考えてアイデアを生み出し、お客様の成果に貢献できるようになっていく様子を静かに見守りたいと思います。

 
合掌

TIME2019.10.28  お知らせ

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