マニュアル屋の随想
ものづくり補助金は何を補助するのか
恐縮です。
工場の設備投資を後押しする「ものづくり補助金」は中小中堅企業様にとって大きなアドバンテージを運んできてくれる存在だと思います。
そこで、このブログの場では、長年に渡り蓄積した私の頭の中にある岐阜尾張における「ものづくり補助金」の考え方を備忘しようと思います。
私自身の備忘ながら、何かしら、あなたのお役に立てることがあれば、私も嬉しく思うのでございます。
ものづくり補助金の申請書を書く上でまずすることといえば、公募要領を読み込むことでございます。
基本的には「ものづくり補助金」の事業目的、すなわち、補助金を交付する目的は概ね変化していません。
ものづくり補助金の公募要領(平成30年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)の表紙を見ると、
【公募要領の表紙】
「事業の目的」として、足腰の強い経済を構築するため、生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための中小企業・小規模事業者等の設備投資等の一部を支援します。
との記載があります。
ほほう。
国が「ものづくり補助金」という事業を通して達成したいことは、「足腰の強い経済を構築する」ということです。
この「足腰の強い経済」とは何でしょうか。
この観点から、令和元年10月4日に行われた
「第200回国会における安倍内閣総理大臣所信表明演説」に目を通してみますと、
▼第200回国会における安倍内閣総理大臣所信表明演説
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2019/1004shoshinhyomei.html
「三 地方創生」の中の(成長戦略)という項目が恐らく1項を通して、全てこの「足腰の強い経済」という概念なのだと私は考えました。
まず、安倍総理は「安定した社会保障の基盤」は、「強い経済」であると仰っています。
「安定した社会保障の基盤」とは、すなわち「税金の安定財源」という意味でしょう。
つまり、ものづくり補助金における第一義の目的は、「税金の安定財源確保」であると言えそうです。
では、税金の安定した財源を確保するための補助金であるとするならば、どのような企業に補助金を交付したいものでしょうか。
業績が伸びている優良企業ほど、設備投資を行うことにより、更に純利益を上乗せできるようになり、結果として税金の増収が促される見込みは高くなりやすいでしょう。
とはいえ、設備投資を行えるほどに体力や信用がある企業であれば、上記の目的は達せられる見込みは高い判断される見込みは相当にあると思います。
「ものづくり補助金」は今年で連続7年目の補助金制度でございます。
毎年のように補助金が通る工場も相当数あり、また、ものづくり補助金を利用するしないに関わらず、自社のプランに沿って定期的に設備投資を継続できる体力の企業もおありでしょう。
このように設備投資を毎年重ねていける工場は業績も相応に良い可能性が高いでしょう。
逆に、設備投資をしたいものの、資金面や経営面での都合から困難であるという工場もあるかも知れません。
設備投資を継続して行い続けられる企業と、設備投資を行う体力の乏しい会社の場合、設備投資を行える方は好循環の軌道に乗ることができる一方で、設備投資を導入し難い企業の場合の場合は、行える企業に対して
生産性に大きな差が生じてしまう可能性があります。
そこで、積極的に設備投資を行う工場は現在の好循環を維持向上するために、
設備投資を躊躇する工場では、補助金に後押しを受ける形で設備投資をなされると、国の企図する「足腰の強い経済」=「沢山納税できる工場の創出」という目的に合致するのではないでしょうか。
国は、このような納税額を増やせる見込みの高い会社の設備投資を助ける意図で、補助金を交付していると考えます。
国の意図に着目しながら、御社の業績の良さや突発的に業績が落ち込んでいる理由を踏まえることで、筋のいいストーリーができ、補助金が通る可能性が高まるということです。
「三 地方創生」の中の(成長戦略)という項目の中には、人材の雇用・就労支援(特に就職氷河期世代の方を対象としたもの)や、会社の経営の透明化といったものへの準備等々が盛り込まれています。
この安倍首相の所信表明演説は、直近で政策の方針を示すものであり、この成長戦略からは、ものづくり補助金を交付する目的が垣間見えますが、
所信表明演説の他のか所にも、ものづくり補助金を獲得する上でのヒントが隠されています。
次回はその点を少し触れていきたいと思います。
最後までお読み頂きありがとうございます。
当ブログは私自身の備忘に過ぎませんが、あなたにとって何かしらお役に立てていれば幸いです。
では、再びご縁がありますことをお祈り申し上げます。
2019.11.29 補助金の目的