マニュアル屋の随想

玉虫色ワード

おもちゃのハンマーをプレゼントされた幼児は何でも叩きたがるでしょう。
 
 
さて、 
 
 
ある中小企業診断士さんとお話をしておりました。彼には、彼の事業の軸を定めるお手伝いをしてくださる方がいらっしゃいます。
 
 
その方が彼のやっている事業について伺っている折、
 
 
「・・・市場調査や事業再生といった、どうとでも取れる言葉を使われていると、何をなさっておられるかが分かりませんね・・・」
 
「・・・」(う~む、それ以外に何といえばいいのだろうか・・・)
 
 
となる場面が多々あったそうです。彼は周囲もそのように呼ぶし、特に違和も感じなかったので、それをそのまま使っていたそうです。
 
 
しかし、この「市場調査」だの「事業再生」だのという言葉は、割と便利な言葉でして、どのような目的であれ、少しでも市場を調査していれば「市場調査」ですし、何の目的ででも市場を調査していれば「市場調査」です。
 
 
さらに「市場」も「調査」も幾重にも解釈する余地のある言葉です。よって彼のいう「市場調査」は人によって様々な解釈をされうる言葉であると言っても過言ではありません。いや、過言でしょうか。
 
 
「事業再生」においても同様で、「事業」も「再生」もものすごく解釈の幅を持つ、多種多様な解釈を許す言葉です。
 
 
自身の業務を伝えるにおいて、「市場調査」や「事業再生」として一言で処理しようとすると、何をしているかが正しく伝わらなくなるでしょう。
 
 
何をしているかが正しく伝わらなければ、当然に仕事において何かしらの成果を出すことは困難を極めることになるでしょう。
 
 
彼が人によって解釈が変わる言葉をできる限り避けて、自身の業務を伝えられるようになっていくようになっていく様子を静かに見守りたいと思います。
 
 
合掌

TIME2019.10.08  お知らせ

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