マニュアル屋の随想

書き手にとっての採択率

恐縮です。

工場の設備投資を後押しする「ものづくり補助金」は中小中堅企業様にとって大きなアドバンテージを運んできてくれる存在だと思います。

そこで、このブログの場では、長年に渡り蓄積した私の頭の中にある岐阜尾張の地での「ものづくり補助金」の考え方をまとめていきます。

目的は私自身の備忘でございますが、何かしら、あなたのお役に立てることがあれば、私も嬉しく思います。

さて、

「ものづくり補助金」の申請は、書き手の力量により、望む成果が得られる、すなわち補助金を受け取ることができる確率は、大きく差が開くことになります。

なので、特にメジャーな補助金となった「もの補助」には、企業の申請書を書くお手伝いをする「業者」も多くなり、
1つの「業界」が形成されるまでになっています。

私の調べではございますが、そのビジネスモデルは、下記の3つを前提としております。

(1)書き手の頭の中の採択率は一定である。

(2)書き手の頭の中の採択率は一定なので、申請件数(母数)を増やす工夫をこらす。

(3)不採択のリスクは取れないので、料金体系はそれを前提としたものになる。

その結果、お客様の立場となる企業の側から見れば、結果的に「数打てば当たる」、「当たり外れの丁半バクチ」の様相を呈するのが実情です。

多くの場合、業者さんはご紹介でお目にかかることになるようです。

紹介者の方がいらっしゃいますので、なかなか業者さんを疑う向きにはならないでしょうが、時間とお金、それに労力が必要な話になりますので、業者さんがどのような思考・構造の下でお仕事をされているのかを知ることは決して損ではないかと思います。

しかし、あくまでも私の調査と浅い経験に基づくことはご承知置き願います。

本日は、まずは(1)について書きます。

採択率・・・まず、採択というのは、「補助金を受け取る権利を得られた」状態を言います。

これは、採択件数÷総申請件数で算出される数値で、その時期における申請の倍率といいますか、成功率を俯瞰する指標として重要です。

ちなみに全体数値は、下記の通りになります。
 

 

先の11月5日に発表された、2次公募の採択率は、35%と厳しい結果となりました。なお、愛知県・岐阜県では恐らく約30%であると考えられます。

補助金の制度も補助金額や補助条件に変化があり、また申請件数も景況も一定ではなく、それらは結果的に採択率として反映されます。

書き手の方々の算段としては、「採択率が今回は恐らく〇〇%だからウチはこのくらいだろう」と考えるか、
世間の採択率に関わらず、ウチは大体70%くらいだな、とか50%くらいだな、といった感じで過去の自社の採択実績を準拠する方もいらっしゃいます。

書き手は、自身の採択見込みを自分の中でメーターとして持っているものです。

そして、複数回に渡り申請書作成代行業務に従事されてる業者さんは、このメーターは自身の中で精度が高いものであると考えるようになりがちです。

なので、世間の採択率を見込み、その1.5倍のパーセントくらいだとか、固定で70%だとか、自分の中の尺度は概ね揺らぐことがないのです。

自社の申請書作成プロセスが確立されてきたり、補助金申請における反省と研究を業者さんたちは独自の手法で行い、その根拠を持っているでしょうから、支援した際の採択率の予測精度は高いのだと思います。

ところが、私もそうですが、現実として採択率は100%ではないのです。

何処まで行っても審査員の先生の判断に委ねられる点が大きい以上、100%にはなりえないのが現実なのです。

もちろん、結果として幸運にも100%となりました、とか95%でした。ということはあり得ます。

ただし、事前に100%ですと約束することはできないでしょう。

しかし私の調べですが、70%とか50%とか・・・自社のメーターをこのレベルに設定している業者さんが圧倒的多数です。

私はこれを否定しているのではなく、その業者さんのスタンスであり、やり方ですので、現実としてそうであると申し上げているのみです。

良いも悪いもございません。

しかし、業者さんも仕事として請けていらっしゃる以上、請けた企業さんが必ず採択されるように申請書の作成に最善を尽くされることは、もはや疑いようがありません。

ただ、職業として自社の経営を考える上では現実的なラインとして70%とか50%とか、自社のメーターで効果を予測したりすることは往々にしてあります。

何を申し上げたいかといいますと、慣れた業者さん程、考え方は、当たる人は当たる、当たらない人は当たらない「コイントス」のような考え方に近づきやすい。ということです。

全ての方がそうではなのですが。

そして、「当たる人は当たる、当たらない人は当たらない」コイントス式の考え方になりやすく、
自社の採択率のメーターが概ね高精度だという自負があるとどうなるのか・・・

(2)書き手の頭の中の採択率は一定なので、申請件数(母数)を増やす工夫をこらす。となります。

今回は、まとまり切らないながら、(1)書き手の頭の中の採択率は一定である。について記載しました。

最後までお読み頂きありがとうございます。
当ブログは私自身の備忘に過ぎませんが、あなたにとって何かしらお役に立てていれば幸いです。

では、再びご縁がありますことをお祈り申し上げます。

合掌

TIME2019.11.13  業界について,雑感

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