マニュアル屋の随想

売れるタイミング

蚊で困らない人に蚊取り線香は不要でしょう。
 
 
さて、
 
 
ある日、知人の中小企業診断士さんと会話しておりました。彼には彼の事業の軸を定めるお手伝いをしてくださる方がいらっしゃる。彼は、彼の事業内容について、その方とお話していたそうで、この問いに気付くところが多かったそうです。
 
 
「売りたい売りたいという気持ちでいらっしゃるようですが、相手は今、それをもとめていらっしゃるのですか?」
 
 
「・・・?」
 
 
「例えば、マニュアルを監査や何かで期限が迫っていて今すぐ整備しなければいけない事情がある企業がありますよね?」
 
 
「はい」
 
 
「その一方で、全然いつでもいいという企業も多いはずですね?」
 
 
「その通りです」
 
 
彼はこのやりとりを通して、差し迫った必要性がなければ、彼の提供するサービスは求められないということに気付いたそうです。すなわち、お客様にとって「いつ」必要になるかという問いでしょう。
 
 
彼のサービスが求められたケースを考えても、急な退職に合わせてという背景があり、すぐに必要だから、という事情の方ばかりだった事実を思い出したとのことです。
 
 
お客様にはお客様の事情があり、その事情を知らなければこのサービスを買って頂けることは無いでしょう。
 
 
にも関わらず、自分の都合を優先させるあまり、この事実を見ていなかったことに気付き衝撃を受けたそうです。
 
 
彼が自分の目的を達成するために、自分の意思ではなく、お客様の都合をベースに物事を見られるようになっていく様子を静かに見守りたいと思います。
 
 
合掌

TIME2019.10.20  考え方,雑感

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